2012年06月24日

古楽器もいいじゃない

気持ちよく晴れ渡った土曜の昼下がり、ちょっと珍しいコンサートに行ってきました。



チェンバロの二重奏。
チェンバロ自体、生でめったに聴くことがないのですが
この珍しい編成を近場で見られるとあって、興味津々で向かいました。

会場はキリスト教会。これまためったに入る機会のない場所です。
(友人の結婚式のチャペルには数えきれないくらい入ったけれど・・・)
今回の演奏者のおひとり、笠原さんの言葉をお借りすると
「チェンバロは決して楽器自体から出る音は大きくないけれど、それを演奏する会場、空間も含めて一つの楽器である」
だそうで、確かに教会の清涼な空気感や雰囲気が楽器の魅力をより引き出してくれていたのが分かった。

プログラムは楽器の特性もあるのでしょうがほぼバロック中心、曲によっては弦楽モノの編曲もあり。
5名の作曲家の作品を取り上げていましたが、やはりバッハの緻密で精巧で・・・なんというか心にすーっと自然に入ってくる和音進行の心地よさというか、ともかく群を抜いていました。
逆に、私なんかもそうですが演奏する立場に立ってみると、その曲の素晴らしさゆえに終わりの見えない(=奥深い)、何か見えざる荘厳な壁のようなものをなかなか越えることのできない難しさ、
それも見ていて感じました。
(勿論お二人はプロですから、我々よりもっともっと高い次元で挑まれているのですけれども)

個人的な感想を言えば、アンコールのバッハのメヌエットは本日の白眉でありました。
多彩な装飾音符やアドリブ(?)を散りばめた演奏は、チェンバロという楽器の魅力を大いに引き出す名演で
まるで両の手から綺麗な丸い宝石が溢れてこぼれ落ち、きらきらと光を受けて輝いているような・・・
当時の貴族たちの煌びやかな情景が目の前に浮かんでくるようでした。

終演後、近くで楽器を拝見することができました。



二台のチェンバロを、奏者が向かい合うような形で配置しています。
木の風合いを生かした趣きのある鍵盤、味があってステキ。二段になっていますが、上段と下段で音色が違うのですね。
たとえばバッハの中に多く出てくる反復の場面など、上と下で使い分けをされていました。
板をどけた状態の中身を見せていただくと



ハープのように弦がはられ、その間に赤や白の布が貼られた木片が配置されています。
この木片には小さな小さな突起がついており、それが弦をはじいて音を出す仕組み。
鍵盤の上下段で弦をはじいている場所が異なるために、音色の違いが出てくるのでした。

拡大図。手前と奥で二段になっているんですねー。



このあと鍵盤を少し触らせていただきました。
ピアノよりも鍵盤自体が一回り小さい上に、タッチが軽い。
構造上、ピアノと比べると指先の感覚もより繊細になるであろうことは想像に難くない。実際にお話も伺いましたが、指先が五感というか六感というか、そんな印象なんだそうです。
チェンバロを始める方はとっかかり自体はピアノからという方が多いのではないかと思いますが、
こりゃ全く違う楽器です。極めるにはかなりの鍛錬がいりそうだ・・・
それでも魅せられてしまう気持ちはよく分かります。

そういえば私も一時期、フルートトラベルソ(バロックフルート)本気で欲しいといっていたときがあったなあ。
買っても絶対消化しきれないだろうと諦めたのだけれど、
今回このような演奏会を聴いて「うーんやっぱ欲しい・・・」と思ってしまった。
いつかブランデンブルクの5番、死ぬまでに吹いてみたい!!


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